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(02/08/07)
レトロモダン ブームが息を吹き込んだ
“大人のぬいぐるみ”『モダンペッツ』
 
 


レトロモダン ブームが息を吹き込んだ
“大人のぬいぐるみ”『モダンペッツ』



 この“ぬいぐるみ”、どこか懐かしい気持ちが込み上げてくるのが、たまらなく愛おしい。 ベルベットな質感、フェルトで貼り付けられたキョロっとしたオメメ、「バンザイ」と動かすことのできるオテテ。 飼い主が決まった時に入れられるパッケージはちょっとシックで、どうも“子供向け”ではないぞ。と、そんな“大人のぬいぐるみ”。
『モダンペッツ』と名付けられたこのぬいぐるみ達、生い立ちを辿ってみるとなるほど、そのただものではない感じに納得させられた。

 『モダンペッツ』は50年代、海外向けに日本で作られていたというルーツを持つ。それを今、当時の製法、素材もそのままに、国内のメーカーがちょっぴりイマっぽいデザインを取り入れて、オールハンドメイドで復活させたというのだ。生産数は1種類につき500体、カラーリングは2色に限定。
今のところ、“ベアードッグ”、“ショッピングラビット”、“グッドモーニングカンガルー”の3種類。1ヶ月から1ヶ月半の間でまた1種類づつ、仲間が加わってくる。発売前のサンプルの状態で予約をしていくという、熱心なファンも急増中だとか。  「集める」ことで熱くなる、ここ最近のフィギュアコレクションブーム的な感覚を持ちあわせているところも、なかなか面白い。

 さて、この『モダンペッツ』のいちばんの魅力、それは手にした時の“ぬくもり”だ。持ってみると少しだけずっしり、ぬいぐるみの体重が伝わってくる。それは現在のぬいぐるみの中身がほとんどがワタであるのに対して、『モダンペッツ』のそれは、“おがくず”が入っているのだ。重さの違いでこんなにもぬいぐるみの存在感が違ってくるものなのだと、ちょっとした驚きと新鮮さを味わった。
「ぜひ、匂いをかいでみてください」。『モダンペッツ』の住みかであるショップ『ティモ』の店長、徳重さんに言われるがままそっと顏に近づけてみた。「懐かしい香りがしませんか?」。
確かに。ふんわりと漂ってきたその香りは、きっと日本人なら誰もが知っているであろう、子供時代の記憶を呼び覚ますような、やさしい香りがした。

 当時の製法のままに、というからには当然今でも職人さんがひとつひとつ、丁寧に手作りをしているが故、よーく見てみると同じ種類どうしでも、顏が微妙に違う。購入するお客さんも、その辺を充分に見比べて、自分のお気に入りの顏をしたものを選んでゆくそうだ。

 購買層は20代が中心であるが、10代から40代までと幅広い。10代、20代は昨今の“レトロブーム”の延長線上で。 30代から40代は、子供の頃を懐かしく思い、買っていく。

 そう、今まさに“レトロモダン ブーム”が頂点に達しようとしているところだ。それはこの春から夏に向けての、女性のファッション、特にスカートやバッグの柄を見れば自ずとわかるだろう。みんな、“昭和テイスト”という雰囲気を持っている。
 ミッドセンチュリー的なモダンデザインの流行は、ここ6〜7年程前から、家具を中心にブームが続いている。この『モダンペッツ』が売られている『ティモ』は、60年代、ハーマンミラー社がアレキサンダー・ジェラルドというテキスタイルデザイナーを起用し、設立したテキスタイルとオブジェの専門店をモデルとしている。カジュアルでカラフルなオリジナルのファブリックを中心に、北欧のチェアーやランプ、オブジェ、生活雑貨までライフスタイルを提案。そんな『ティモ』のおめがねにかかった『モダンペッツ』は、ショップのオープン記念として、ピンクの“ベアドッグ”が限定80個のみ販売された。

 『モダンペッツ』のような、ちょっと“和”の香りがする、“昭和テイスト”な懐かし感のするキャラクターが、今後も出現してきそうな気配がする。

 
 
『TIMO』(ティモ)
OPEN:am11:00−pm9:00
TEL.03−3477−1950

ZERO GATE(ゼロ・ゲート)3F
URL:http://www.zerogate.jp/
 
 

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