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(02/10/07)
今の時代にこそ大切にしたい、クラシックキャラクター。
 
 


  「アレ、どこかで見た?」という方も、きっと、いるはず。お初の方は「なんかオトボケだけど、あったかいなぁ…」って、きっと、思うはず。そんな今回の主人公は、この“もぐらのモール”くん!
 さて、この“ぬいぐるみ”を見て「カワイイ!」と飛びつきたくなる気持ちをちょっと押え、まずは彼が今、こうしてここに改めてお目見えした、ちょっとしたヒストリーをぜひ、知っていただきたい。そうするともっと、この“もぐらのモール”くんのことを知りたくなる。そして、今の世の中の見方やあなたのココロの中を、もしかすると楽しい希望が持てるところへシフトチェンジしてくれる。ちょっと大袈裟だけど、そうなってくれることを、純粋に願いたい。コイツはそんな“フォース”(!)を持つ“もぐらのモール”くんなんだ。

 タイトルにもあるように、“モール”くんにはクラシックな背景がある。生まれは『旧チェコスロバキア共和国』。ソビエトが崩壊後の現在『チェコ共和国』である。東欧の国の情報はなかなか日本に届くことも難しかった旧共産圏時代から現在の民主化されたチェコに至るまで、その国は“アニメーションの故郷”ともいわれる程の歴史を持っていたことを、いったいどれくらいの人が知っているだろう。今世界で高く評価されている日本のアニメーションも、日本人の器用さと、緻密な技術の先進国であった結果 であるのかもしれない。しかし、チェコアニメーションの文化は全く違った事情から作られたものだった。共産国時代、両親は皆共働き。そうして家に残された子供達のために、豊かな夢と成長をという願いを込めて、国が中心となり作り上げられた。それがチェコのアニメーション文化であり、どの家庭にも、なくてはならない大切な存在だったのだ。
 そのような背景を持つチェコのアニメーション文化。“もぐらのモール”くんもそんな時代の1957年、『モグラのKRTEK(クルテック)』としてアニメーションデビューする。チェコでは『おやすみ前のアニメーション』として、子守歌代わりに、就寝前の子供達に愛と健やかな夢を与えられるよう、国営放送で流されていたのだ。

 チェコの絵本作家エドアルド・ぺチシカ氏と、挿し絵は現在アニメーション作家としても著名であるズデネック・ミレル氏の2人で作られた絵本が始まり。それが「もぐらとずぼん」、「もぐらと自動車」。日本でも1967年、1969年にそれぞれ絵本が出版された。見覚えがある…という方は、きっと幼稚園などで目にしたのではないだろうか。また、アニメーションも1980年代にNHKで放映されていた。

 さて、ようやく“モール”くんの紹介を。一目見ておわかりのように、実に「オトボケ」感満載の風ぼう。でもそれが彼の魅力。普段は土に住んでいて、好奇心旺盛な割には世間知らず。なのでことごとくズッコケの連発なのだが、それにもくじけず前向きに、自分のしたいことを貫くのだ。でもそれにはたくさんの仲間、ネズミやカエルの手助けあってこそ。そんなチャッカリしたキャラクターの持ち主“モール”くん。そんな“モール”くんにぜひお近づきになって頂きたい。先ほどの絵本2冊は『福音館書店』より発売されており、全国書店で手に入る。更に“「動く」もぐら”くんもビデオが『もぐらのトッピィ』と名を変えて、全12巻が発売されていたが、今は残念ながら販売はされていない。  最後に、もし作品を読む、見る機会があれば、様々な視点からメッセージを受け取って欲しい。ヴィジュアルとしては、“クラシックキャラクター”というだけに、背景やキャラクターたちの独特な模様や色彩 を。音は映像と一体化するかのように、楽しんで。そして、自然と文明社会へのメッセージ。子供たちにはもちろん、大人の方にぜひ、“もぐらのモール”くんの想いを感じて欲しい。

 最早「ブーム」の域を越えそうな勢いであるキャラクター業界。単純に見て「カワイイ、カッコイイ、集める」だけでなく、この“モール”くんのように、ひとつの国の歴史と文化を背負ったキャラクターを、 単なる“キャラクターグッズ”で終わらせたくはない。他にもそんなキャラクターが、きっと多くいるに違いないのだろう。ここでもう一度、様々なキャラクターの持つ背景に触れてみる。そんな機会があってもいいのではないだろうか。

 
 
問い合わせ先:株式会社パドルビー
URL:http://www.puddleby-inc.com/
 
 

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